カウント

2013/08/31

人探しのカナブン

電車を降りた瞬間、艶のある緑のカナブンがこちらに向かって勢いよく飛んできた。とっさ過ぎて身動きがとれずただ両腕に鳥肌が立ったが、カナブンは僕の腹の前でくいっとユーターンして去って行った。 。。人違いだったのか。

とりあえず僕の目では、君が人探しのカナブンにしか見えなかった。

短い命であろうから、短い夏であろうから、
懸命に探しておくれよ。

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いつかの夏を思い出す曲を。

the DRUMS "Submarine"







2013/08/25

アイズ•ワイド•シャット

目を見開き物事を見つめながら、それと同時に目をつむっていかなければならない。
そうやって生きていくんだ。

匿名で私欲を満たす仮面舞踏会、
主人公の妻に対する白黒の妄想、
衣装屋の店主と我が身を売る娘、

スタンリーキューブリックの投げかけてくるメッセージは
あと何年経っても響くと思う。

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京王線、新宿から桜上水に帰る最中、

笹塚駅で電車の扉が開いた瞬間、
青年が電車を駆け下り駅のホーム真ん中で嘔吐した。
そういえば笹塚に着くまで、青年は口をリスのように膨らましていたな。
半分口の中に溜まった酸味と闘っていたのか。。
時間は夜19:00頃、テニスラケットを持っていたし、
飲み帰りとは思えない。

嘔吐後、青年はホームのベンチに座った。
すると杖をついたじいさんが青年のもとへ向かって歩み寄っていくのだが
そこで電車は次の駅へ進み始めた。

あの後、どうなったんだろう。

テニスラケットを持って嘔吐する青年と
杖をついて歩み寄っていくじいさん。